無信心で、占いや言い伝えのたぐいなどは全く信じてはいないので、北枕でも平気で寝れるし男の厄年に御祓いもしないで過ごした。神社や仏像の前に立ったときは手を合わせることをはばかることはしないが、感謝をするわけでもなく願い事をするわけでもなく、ただ手を合わせるだけである。
神様仏様にお願いするのは苦しいときのみに決めている。おそらく 「苦しいときの神頼み」 とは、「普段は無信心な者が苦しいときだけ神を信じる」 ことを戒めたことわざだろうと思うが、私は 「苦しくないときには、さらなる希望を叶えてもらうことを願うべきではなく、苦しいときのみ神に頼め」 ということだと解釈している。「そんな態度ではいつか罰があたるよ。」 と家族は心配してくれるが、だからこそ罰があたったときは神様仏様にお出まし願う。我ながら理論的に筋が通った考え方だと思う。 ところで、「茶柱が立ったらいい事がある」 などは、信じていなくても当たるらしいから、少なくともそういうときには喜ぶようにしている。世の中には信じていなくても当たる 「言い伝え」 もあるからヤヤコシイしオモシロイので、話題にして楽しまなくては損である。 干支(えと)というものは、科学的根拠に基づいて作られたものかどうかは知らないが、よくできている。 広辞苑で調べてみると、 十干: 甲(きのえ)、乙(きのと)、丙(ひのえ)、丁(ひのと)、戊(つちのえ) 己(つちのと)、庚(かのえ)、辛(かのと)、壬(みずのえ)、癸(みずのと) と 十二支: 子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み) 午(うま)、未(ひちじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い) を組み合わせて干支とする。すなわち、 甲子(きのえね)、乙丑(きのとうし)、丙寅(ひのえとら)、… のように、それぞれ独立に十干は10周期で、十二支は12周期で繰り返して組み合わせる。 ちなみに今年の干支は 「辛巳(かのとみ)」 で、来年は 「壬午(みずのえうま)」である。 10と12の最小公倍数は60である。だから、十干は10周期で6回、十二支は12周期で5回繰り返して組み合わせれば60種の干支ができる。よって61年目で再び生まれた年の干支に還ることになる。そこで60(数え年で61)歳を赤ちゃんに還ると考え、赤い衣装を着て「還暦」 といってお祝いするのだそうである。この話はちょっと置いといて . . . 。 なぜか今日はよくミスをするなーとか、なんだか知らないが今日は気分がいいなーとか、そういう日があるものである。人の体調や気分に起伏があることは感じるが、それが規則的な周期性をもっているかどうかまでは自分では調べたことはない。ドイツのフリーズというお医者さんはデータをとって、人の体調、感情、および知性の働きにはそれぞれ周期的なリズムがある、という説を100年近く前に提唱したことは、「バイオリズム」 としてよく知られている。それによると、体調、感情および知性の働きは、生まれた日を起点にしてそれぞれ23日、28日および33日の周期で起伏を繰り返しているのだそうである。
高校で習った三角関数のサイン、これは周期関数といってグラフを描いたらある周期で繰り返したものになる。そこでバイオリズムを生まれた日から出発して、このサインカーブで表すと上図のようになる。図内には23日、28日、33日周期の3つのサインカーブを書き入れてある。
さて、これら3本のカーブは誕生日からそろって出発しているが、再びこれら3本のカーブが完全に重なり生まれた日と同じ状態になるのはいつかというと、23、28、33の最小公倍数、すなわちこれらの積で、22×28×33=21252日後である。これは、58歳と3ヶ月余り。ほぼ還暦と一致しているのは、なんともおもしろい。そして生まれてから21252日間は、体調、感情、知性の働きが一日たりとも同じ状態の日はない。(それぞれの値のみだけではなく変化の状態まで考えたら一瞬たりとも同じ時はない。)
さて、体調、感情および知性のそれぞれのサインカーブの最高値を1として、これらを合成したら上図のようになるが、カーブの値を調べてみると、最高値は3にはならない。
最高値=+2.99682 (生まれてから約17002日22時間後=約46歳7月21日) 最低値=−2.99682 (生まれてから約 4249日 1時間後=約11歳8月20日) … である。私にとってはどちらも既に過ぎ去りし日である。(2度目の最高値は104歳時、楽しみにしておこう。) (2001.12.14)
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