工太郎 : よう、数男。元気ないみたいだな。何かあったのか? 数 男 : いや、元気ないことはない。ただちょっとやっかいな問題があってこの1週間それが頭から離れないのだ。 工太郎 : ほう、彼女と喧嘩でもしたか。それとも彼女に別な男でもできたか。 数 男 : いやそうじゃあない。問題というとそんなことしか思い浮かばないのか、工太郎は。 工太郎 : 1週間も頭から離れないような問題といえば、それしかないだろうが。他になにがあるというのだ。 数 男 : 数学の問題だ。どうにも解けない。 工太郎 : ははーん。なるほど。それが解けなくて単位を落としそうなのか。 数 男 : そうじゃあない。自分で作った問題だ。 工太郎 : 自分で問題を作って自分で悩んでりゃあ世話ーない。そんなものは忘れろ。 数 男 : そういうわけにはいかんのだ。気になるものはしようがない。 工太郎 : それが解けたからといっても一銭にもならんのだろう。どうせおまえのやっている数学なんて大して役には立たん。おれなんか、この前ごみ置き場に落ちていたテレビを拾ってきて修理して使っている。おれの専門が立派に役にたっているのだ。 数 男 : 修理したといっても手で叩いただけじゃないのか。 工太郎 : はっはっは、実はそうなのだ。テレビの故障はたいていが接触不良なので叩けば直るのだ。これだって立派な専門知識というものだ。 数 男 : おまえの頭もちょっと叩いてみたらどうなのだ。 工太郎 : これ以上おれの頭をよくする必要は今のところない。 さて、数学の問題に頭を悩ます数男と拾ってきたテレビで楽しむ工太郎。どちらも人生を楽しんでいるように思え、その意味では数学と工学のどちらも役に立っていると言えそうなのだが…。 考えるべきことは、楽しむとはどういうことであるか、役に立つとは何の役に立つのか、どれほどの人を幸せにすることができるのか、ということであろうか。 (2002.11.17)
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数男の作った楽しめる(?)問題: 解けたら、答え、お名前(ハンドル名推奨) を入力し OK をクリックしてください。 正解なら正解者リストにお名前が掲載されます。
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