> 『数学的思考(?)エッセイ』 の試み

68. 中途半端なりに
 やるならやる、やらないならやらない、中途半端なのが一番いけない、と言ったりする。確かにそういうことはあるだろう。特に、本人の努力には関係なく結果のみが問われる世界ではよくあることである。
 だが、私は野球の試合を見ていて、いつも思うことがある。

 球場の広さやベース間の距離、あるいはバッターボックスとピッチャーズマウンドまでの距離など、また、三振や、ヒットなどに関するものなど、野球についての様々なルールはどのようにして現在のようなものになったのかは知らないが、野球というゲームが面白いのは、これらのルールが微妙なバランスのもとにあるからであろう。タッチの差でセーフになるかアウトになるかという具合にできている。

 だが、いつも思うことがある。例えば、バッターが打とうとして、同じボテボテのゴロになっても、ファウルになったら何の問題もなくて、内野ゴロになったらアウトになる。あるいは、同じファウルでもフライになって捕られたらアウトになる。同じ打ち損ねでも、明らかに内野ゴロよりファウルの方が打ち損ねの度合いは大きいと思う。あるいは、同じファウルでゴロとフライになった場合とでは打ち損ねの度合いに大差はないのではないか。結果のみ重視ということにもなっていない。なのに、なぜこのようなルールにしているのだろう。

 つまり、言いたいことは次のことである。例えば、ポーカーにしても、麻雀にしても、ゲームでは手役ができる確率におおよそ比例して得点が決められているはずである。ところが、野球でバッターの打席に立ったときのルールについては、確率は考えられていないのではないか、ということである。
 むろん、バッターは意識的に空振りして見せたり、きわどいコースのボールはカットしてファウルにしたりすることもある。だが、明らかにボールを前に打ち返そうとしているとき、結果の評価はその意志にそった成功率にしたがってすべきである。(なんだかすごく(へ)理屈っぽくなってきたと思いながらも、流れがこのようになってしまうのは、数学的思考(?)だからだろうか?)
 結論を述べたい。以下のルールでやっていただきたい。

アウトのルール:
 ●一球につき
    ○空振り:3アウト
    ○ストライク見逃し:2アウト
    ○ファウル:2アウト
      ゴロでバッターが一塁に駆け込む前に、ボールが一塁に渡ったとき:さらに1アウト
      フライで捕球されたとき:さらに1アウト
    ○内野ゴロでバッターが一塁に駆け込む前に、ボールが一塁に渡ったとき:1アウト
    ○フライで捕球されたとき:1アウト
 ●1バッターにつき
    ○9アウト以上になったら、バッター交代
 ●チームで18アウト以上になったら、この回の攻撃終了
 ●(補)バットが折れたら、9アウト

 バッターは、ファウルゴロを打つ度に一塁に向かって走らなければならない。内野ゴロでアウトになっても、9アウト以内ならまた打席に立てる。バッターは疲れる? いや、難しいコースがきたら、内野ゴロにして走らなければいい。1アウトを捕られるだけである。このような駆け引きもできる。

 本当は統計にしたがって確率を調べてやっていただきたいが、大体こんな具合である。この方が面白いと思うんだがなあ。どこかで一度やってみてはもらえないかなあ。
 とりあえず従来のルールで 野球ゲーム (HTML版) (Java版) をつくってみた(やりだすとハマッテしまう)。
(2004. 7.15)

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