> 『数学的思考(?)エッセイ』 の試み

74. なんでもありの世界でもなさそうだ
 ずっと以前、おもちゃ屋さんで買った白いセルロイドのようなものでできたサイコロが出てきた。サイコロをみるとなぜだか振ってみたくなる。


※ マウスをドラッグ(クリックしたまま動かす)してサイコロを振ってください。

 5、6回ころがしてみた。ところがどうもこのサイコロは1の目がよく出るような気がする。形もなんだか少しゆがんでいるような気もする。これは本当に正確にできているのか怪しい。これで何かの賭事でもしたら揉事になるやも知れぬ。

 「イカサマをしやがって、生かしちゃおかねー」
 「どこがイカサマだというんだ。ケチを付ける気か」
 「そんなら、その賽がチャンとしたもんだということを示してみろ」
 「ケチを付けたのはそっちじゃあないか。この賽の目の出方がおかしいということを示してみろ」

 ところで、このサイコロが正確なものだという保証は、どこで誰がどのようにしてやってくれるのだろう。あるいは、イカサマだということの証明はできるのだろうか。
 もし、どちらもできない相談であるなら、何でもありではないか。

 証明できないことをいいことに何でもありの世界は、なにもサイコロの世界ばかりではないが…。
 この賽の騒動の結末はどうなったか? この賽がチャンとしたものかどうかということを示すことが難しいことに気付いた彼らは、この賽を60回振って、1、2、…、6 のそれぞれの目が6回〜14回の範囲ででるかどうか、ということに賭けをしたのである。なるほど、何でもありの世界でもなさそうだ。
(2004.12.11)
 ▼
 レモン汁が身体にいいというので、毎晩レモン1個をしぼって妻と二人で飲んでいた。ところが、レモンには化学肥料が使われているに違いないから毎晩飲むにはよくないのではないか、ということで、今度は玄米を原料とする黒酢なるものを飲まされることになった。これが臭い、誰かの靴下の臭いがするのである。身体にいいといわれれば飲み続けてみようかとも思うが、とても旨いというものではない。
 身体にいいといわれても、どういいのかがわからない。何人かの人がいいと言うのかも知らないが、これが私の身体に合うものかどうかは私自身で試すしかない。だが、同じ状態の身体が2つあるわけではないから比べるわけにいかないではないか。旨ければ飲み続けるのだが、まずいものを飲み続ける価値があるものかどうか、どう判断したらいいのだろう。

**********************************************************************************
Copyright(C) Yokahiyokatoki