私の机の上で、どこにでもある普通のサイコロの母子が会話をしている。 「僕はまだ、1の目ばかりを続けて10回出したことはないんだ。でも頑張っていつかはそれをやることが、僕の将来の夢なんだ」 「だめよ、そんなことを夢みちゃあ。もし1の目ばかりを続けて10回出してごらんなさい。あなたは優秀なサイコロとはみなしてもらえないわよ。デキソコナイとして捨てられるちゃうだけなのよ」 「え! ほんと? じゃあ、僕たちサイコロは、頑張って誰にも真似できないような難しいことをやったとしても報われることはないの?」 「そうよ、私たちサイコロは、けっして目立ってはいけないの。他のサイコロと違ったことをすると不良とみなされるのよ。みんなと同じように振舞っていればいつまでもかわいがってもらえるのよ。わかったわね」 (よかひよかとき冗談童話集「サイコロ人生」より)
(2006.11.09) (マウスでクリックし振ってください) |