> 『数学的思考(?)エッセイ』 の試み

93. 数式も美しい
 sinI とか log2I のような式を見ると楽しくなる。というと、その気持ちが分らないという人がいる。私には、煩わしい世事を楽しがるその気持ちの方が分らない。若かりし頃であるが、三角関数にハマッテいたとき、ふと顔を上げると眼に映る遠く山々の景色が美しいサインカーブに見え、感動したものだ。


 美しい山々や、あるいは魅力的な肉体の曲線美などを、このような数式で表すことはできないだろうかと思う。中谷宇吉郎の随筆に、茶碗の曲線を数学の式で解析できないか、というような話もあったように記憶しているが、やはり難しいようだ。
 美しい茶碗や肉体の曲線のデータを数多く集め、それらを統計的に扱って新たに作ったとしても、できるものは平凡なものにしかならないだろう。美しさはそれぞれの個性にあり、統計的処理ではその個性が失われるし、人工的なものにはない自然な揺らぎの存在が不可欠である。
 なんでもかんでも、数値化し解析できたのではたまらない気がする。ではあるが、いろいろな関数式をグラフで表わしてみると、それなりに美しいものができたりする。そこで、関数式を与えると、その曲線を描くソフトを作成しようと思い立った。
 すでに優れたものも幾つかあることは知っているが、まずはどのくらいのソフトが作られているのかと、「関数グラフ」で検索してみた。予想通り腐るほどあった。
 こんなに膨大のものがあることを知ると、自分で新たに作る気も失せるが、ここで止めたら、「情報に押し潰された」ということになるのだろうなあ、と思いながら幾つか眺めてみる。
 こんなに多くあっても、どうもぴったりくるものがない。やはり自分で作ってみよう、ということで作ってみた。

    関数グラフ Yokatoki     HTML版  Java版
    2変数関数グラフ Yokatoki  HTML版  Java版

 いろいろいじくって遊んでいたら、次のようなものができた。


 見ようによっては、茶碗の断面図のようにも見えないことはない。ちなみに、このグラフの関数式は

   

である。
 ちょっと眼が回りそうな数式ではあるが、茶碗を愛でてその美しさを楽しむように、このような数式も美しく、眺めて楽しめる、のである。
(2006.12.13)

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