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ウォーキング、ジョギングの勧め!


                   人の走る速さに法則が?


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ウォーキング・ジョギングの勧め


 2000年12月3日の福岡国際マラソンで、藤田敦史選手が2時間6分51秒の日本最高記録 で優勝した。実に平均1km当たりほぼ3分で走ったことになる。(世界最高記録は 1999年にモロッコのK.ハヌーチが出した2時間5分42秒である。)
 小生ジョギングを始めて丸2年、相変わらず1kmを5分前後でのマイペースである。 最近は週末だけで、月間60kmの目標にも達しない月も多いが、おかげで風邪も殆ど ひかなくなったし、何をするにも体がきついと感じなくなったことはありがたい。 これからもジョギングは続けることになるだろう。
 ジョギングが健康によいばかりでなく、走ること自体がおもしろいとは始める 前には思ってもいなかったので、三日坊主にならないためにも ジョギング記録を付けたら励みになるのではと考えた。 走った距離と時間を測ればスピードがわかるし、月間の走行距離もわかる。どんなに 低レベルの記録でも、実績を記録し残すことが大きな励みになることは確かである。 この歳でのスピードの向上は望むべくもないが、今までの総走行距離数は減ることは 絶対なく走った分だけ確実に増えるのは、あたりまえだがうれしい。
 ところで、走りに対して毎回評点を付けようと考えた。そこで、1km当たりを3分 で走れば100点とし、かかった時間に反比例して評点を付けることにした。これだと、 4分だと75点、5分だと60点、6分だと50点、… となる。大学や高専の学業成績 にならって60点以上を合格点とすると、私の場合だと60点前後の走りなので頑張った 日はなんとか合格点が取れる仕組みである。ちなみに、フルマラソンの場合には 2時間6分35秒で走れば100点満点になる。藤田敦史選手の日本最高記録2時間6分51秒 は99点である。世界の走り100点満点に対し、自分の走りが50〜60点であることは妥当 なところであろうか。
 最近までこの方式でやっていたのだが、ちょっとこの評点の付け方に疑問が沸 いてきた。例えば6kmを走るときと3kmを走るときとでは、1km当たりにかかる時 間は違ってあたりまえであるが、それがこの方式だと距離の違いが考慮されていない。 だから、短い距離を走ったときの方が点数がよくなり不公平ではないか。
 そこで短、中および長距離走における現在の世界の(最高)記録を調べてみた。 表1には、速度(m/s)と1km当たりにかかる時間を計算したものも載せている。

  
表1.日本・世界(最高)記録(男子)
 
距離(m)
100...
200...
400...
800...
1000...
1500...
2000...
3000...
5000...
10000...
15000...
20000...
21097.5
25000...
30000...
42195...
100000...
  日本 (2000.12. 4 現在)
記録速度(m/s)時間/1km
  10.0010.001.40.00
  20.16 9.921.40.80
  44.78 8.931.51.95
  1.46.18 7.532.12.73
  2.20.7..7.102.20.7..
  3.38.24 6.872.25.5..
  5.08.2.. 6.482.34.1..
  7.41.87 6.492.33.96
 13.13.40 6.302.38.68
27.35.33 6.042.45.54
43.38.2.. 5.722.54.55
57.48.5.. 5.762.53.43
1:00.30...... 5.812.52.06
1:13.55.8.. 5.632.57.44
1:28.46...... 5.632.57.54
2:06.51...... 5.543.00.38
6:13.33...... 4.463.44.13
  世界 (2000. 1.30 現在)
記録速度(m/s)時間/1km
9.7910.211.37.90
19.3210.351.36.60
43.18 9.261.47.95
1.41.11 7.912.06.39
    
3.26.00 7.282.17.34..
    
    
12.39.36 6.582.31.88
26.22.75 6.312.38.28
    
    
59.17...... 5.932.48.6
    
    
2:05.42...... 5.592.58.75
    

 この表より、速度(m/s)を縦軸に距離を横軸にしてグラフで表したら図1のようになった。

(a)日本記録(b)世界記録
図1. 距離による速度の違い

 距離が長い方が速度が遅くなるのは当然であるが、単に速度が距離に反比例して いるわけではないことが図1を見るとよくわかる。図にはデータに一致するような曲線 を実線で書き入れてみたが、ちなみにこの曲線の式は
 (a)日本記録の場合:(速度)=4.83+12.01×log(距離)/[(距離)^(1/2)]
 (b)世界記録の場合:(速度)=5.09+12.46×log(距離)/[(距離)^(1/2)]
としている。また、1km当たりにかかる時間を縦軸に、距離を横軸にしてグラフで表したら 図2のようになった(世界記録についてのみ)。図に書き込まれているデータに一致する 曲線の式として、図1の(b)より
 (1km当たりにかかる時間)=1000/{5.09+12.46×log(距離)/[(距離)^(1/2)]}
としている。

図2. 世界記録について、1km当たりに
かかる時間と距離との関係

 上式は一見複雑そうに見えるが、対数と平方根のみで書かれていて簡単といえば 簡単な式である。人の走る速さに法則があるなら、ここで現れた係数や関数形は 何を意味しているのだろうか? 人間の肉体あるいは精神力が、何らかの物理(自然)法則 に支配されていることを意味しているのだろうか? と空想は拡がる。
 それはともかく新しい評点の付け方を考えよう。まずD(m)の距離走で1km当たりに かかる時間をT(D)(sec)とする。上で得た式の係数を簡単にして最高記録 T0(D)を、
 T0(D)=1000/{5+12×logD/[D^(1/2)]}
で与えることにしよう。そして、それぞれの距離走においてこのT0(D)の ときを100点満点とし、かかった時間に反比例して評点をつけるのが妥当であ ろう。したがって、D(m)の距離走で1km当たりにかかった時間が T(D)(sec)の走りに対する評点を、
 100×T0(D)/T(D) (点)
とすることにしよう。(この式だと世界記録を出すと100点を超えることもあるが、 それはそれでよいとしよう。)
 ちなみに1km当たりを5分の速度で6kmを走った場合と3kmを走った場合、これまで だとどちらも60点だったのに対し、新評点だと52点および49点になり、走った距離の 違いが評価点に反映されることになってよろしい。また月間の評点も、毎回の評点の 平均点としないで、月間の総走行距離と総走行時間を用いて上式により計算すること にすれば、単に速度のみではなく月間の総走行距離も考慮された評点になってとても よろしい気がする。
 あくまで個人で勝手に楽しむための評点であるが、それにしても 「自分に評点 を付けてまで私を走らせるジョギング」とはいったい何なんであろうか。(2000.12. 6 記)





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