> 『数学的思考(?)エッセイ』 の試み

37. なかなかの難産いや難問
 娘: ねえねえ、友達のAさんのとこ、今度赤ちゃんが生まれるんだけど、それが二卵性の双子らしいんだって。
 妻: まあ、ほんと!大変だわねー。
 私: そりゃ大変だ。お祝いも2倍しなけりゃいかんし。
 妻: そうじゃあなくて、子育てが大変なのよ。
 私: 名前も男女それぞれ2つづつ考えておかなくちゃならんしねー。
 娘: 一人の方は分からないんだけど、一人は男の子なんだって。
 私: じゃあ一つは男の子の名前でよしと。あと男の名前と女の名前を考えておかなくちゃあならん。大変だ。
 妻: 何も内のお父さんが考えなくてもいいの。
 私: 二人とも男の子であるか、男の子と女の子であるか、賭けようか?
 娘: 二人とも男の子である確率と、男の子と女の子である確率は両方とも1/2でしょ。
 私: どうして?
 娘: だって、一人は男の子だということがわかっていて、もう一人の子が男の子であるか女の子である確率はともに1/2だから。
 私: ふふふ.....。そうかな。お父さんは、絶対男の子と女の子の方に賭けるよ。
 娘: なによ、その不気味な笑いは。
 妻: お父さん!生まれてくる子供で賭け事しないでよ。

 数日後。

 娘: ねえねえ、友達のAさんのとこ、やっぱり二卵性の双子が生まれたんだって。
 妻: いよいよ大変だわねー。
 私: そりゃ大変だ。お祝いも2倍しなけりゃいかんし。
 妻: そうじゃあなくて、子育てが大変なんですよ。
 私: 名前も2つ考えなくちゃあならんしねー。
 娘: 男の子の方は ”弘” というんだって。もう一人の子は確か ”薫” といっていた。生まれる前には男の子か女の子か分からなかったから、どちらでもいいようにAさんのお父さんが考えていたんだって。
 私: そういう手があったか。Aさんのお父さんもなかなかやるなー。
 妻: それで、男の子だったの? 女の子だったの?
 娘: あ、それ聞くの忘れてた。
 私: 二人とも男の子であったか、男の子と女の子であったか、賭けようか?
 娘: だから、二人とも男の子である確率と、男の子と女の子である確率は両方とも1/2でしょ。
 私: どうして?
 娘: だって、一人は男の子だということがわかっていて、もう一人の子が男の子であるか女の子である確率はともに1/2だから。
 私: ふふふ.....。そうかな。お父さんは、絶対男の子と女の子の方に賭けるよ。
 娘: なによ、その不気味な笑いは。
 妻: お父さん!生まれてきた子供で賭け事しないでよ。

 どうも我が家の会話には進歩というものがないようである。

 あなたは、どう思いますか? いや、生まれてくる子供で賭け事をすることについてはさておき、次のうちどちらが正しいと思いますか?
 (1) 二人とも男である確率は1/2である。
 (2) 二人とも男である確率は1/3である。
  よかったら、どっちが正しい? の画面で投票をしてください。

   (投票は終わらせていただきました。結果はこちらです。)
(2002. 5.26)
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 双子の子がお腹の中にいる状況で、あり得る場合としては

Case-1男と男
Case-2男と女

の2通りである。よって、二人とも男である確率は1/2ということになる。

 双子の子がお腹から出てくる状況で、あり得る場合としては (どちらが先に出てくるか分からないとして)

 最初に出てくる子 + 続いて出てくる子
Case-1男 + 男
Case-2男 + 女
Case-3女 + 男

の3通りである。よって、二人とも男である確率は1/3ということになる。

 うーん、いったいどっちが正しいのだ。双子が生まれたのは目出度いことには違いないが…なかなかの難産いや難問であるぞ。
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 同種の微視的粒子は、区別できない。たとえば、2個の電子が左右から飛んできて衝突して離れた場合、左側から来た電子がどちらに飛んで行ったかを判別することはできない。すなわち電子に名前を付けることはできない。

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